こんにちは、Webライターのちゅんです♪
Webライターの選択肢のひとつとして、取材ライターを考えている人も多いのではないでしょうか?
今回、本ブログのインタビュー企画「Webライターの未来設計図」では、取材ライターの梅原ひかるさんにお話を伺いました。
取材ライターになるためにどんなスキルが必要なのか、どんな人が取材ライターに向いているのか、現役取材ライターさんの考えをお聞きします。
今後、取材スキルを身につけたいと考えているライターさん必見ですよ♪
取材ライター・梅原ひかるさんのプロフィール
今回は、取材ライターの梅原ひかるさん(X:@86umehara)にインタビューさせていただきました。
もともとは、医療や福祉関係の仕事を10年以上されていた梅原さん。
2023年に、副業としてWebライティングをスタート。後に本業を退職し、専業ライターになりました。
現在は、ビジネス・教育・環境問題(SDGs)を中心に執筆。インタビュイーの本音や想いを引き出すお手伝いをしながら、幅広く取材活動をされています。
梅原ひかるさんインタビュー【会話から想いを引き出す取材ライター】
ブログ仲間のひと言から取材ライターに!
梅原さん、今日はよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
早速ですが、梅原さんはなぜWebライターとして活動を始めようと思ったんですか?
実は、副業に興味をもった時、最初からWebライターと決めていたわけではないんです。ブログを始めるか、Webライターになるか迷って、まずはブログを始めてみることにしました。
最初から、Webライターになると決めていたわけではないんですね。
ただ、ブログを始めたはいいんですが、ブログを継続するモチベーションが保てなくて。次は、Webライターの案件に応募してみることにしました。
Webライターにも色々ありますが、梅原さんが取材を選んだきっかけは何だったんですか?
Webライターの入り口のように言われるSEO記事ですが、私はなかなか上手く書けませんでした。そのことに悩んでいたら、以前からブログの相談にのってくれていた知人が「ひかるちゃんなら取材ライターが向いてるんじゃない?」と言ってくれたんです。そのひと言が、取材に興味をもったきっかけですね。
ブログ仲間のひと言がきっかけだったんですね。そういえば私が梅原さんと初めてお会いしたとき、ガチガチに緊張していた私に対して話しやすい空気を作ってくださったのが印象的でした。梅原さんのお知り合いの方も、話しやすい空気を感じられたのかもしれませんね。
そう言ってもらえたら嬉しいです。今思えば、昔から人の話を聞くのが好きだったので、Webライターとして方針を選ぶ際も、そのことが影響したのかもしれません。
何も知らずに飛び込んだ取材の世界
梅原さんが受注しているのは、どのような取材のお仕事なんですか?
ジャンルはまだ定まっていなくて、応募して採用されたものを書いている状態です。経験したことあるジャンルで言えば、ビジネスや教育、社会環境問題(SDGsなど)ですね。今後は、医療関連の取材にもチャレンジする予定です。
どれも難易度が高いイメージのあるジャンルですね!「背筋をシャンと伸ばさないといけない!」と思ってしまうような…(汗)。
取材対象によって話を聞く態度に違いが出るわけではないですが、お話を聞くのは企業の社長や大学教授、自治体というケースがあるので、気を張る面もあるかもしれませんね。
ちなみに取材はオンラインとオフライン、どちらが多いのですか?
現状はオンラインの方が多いですね。
Zoomなどを使って、インタビューするんですね。
はい。取材して記事を完成させるまでの一連の仕事を任されることもあれば、インタビュー動画や音源データをもらって、記事に起こす仕事もしています。逆に、インタビューだけ担当して、記事の執筆は他のライターさんが行うパターンもあります。
インタビューだけでも、さまざまなパターンがあるんですね!
今は、いろんな取材に挑戦しながら、自分に合う形を探している途中なんです。
そうなんですね!ちなみに梅原さんが初めて取材をする状況になったときは、どのような教材で取材のやり方を学んだのですか?
初めて取材に携わった案件は、動画データを元に取材記事を書くお仕事でした。実を言うと、そこまで熱心に勉強してから取材に挑戦したわけではなくて、勉強開始よりも先に案件に応募したんですよ。ありがたいことに採用していただいて、何も知らないまま書いてみたのが1番最初でしたね。
何も知らないまま取材記事の執筆をされたんですね。それは、なんともチャレンジャーですね…!
そうかもしれません(笑)。そこからはオンラインやオフラインの勉強会に参加したり、取材に関する本を読んで勉強していきましたね。
話し上手が取材上手ではない
取材を始めてから、こんなスキルや資格が必要だな、役に立ったなというものはありますか?
これが無いと困るというものは、特に思い浮かびませんね。Webライターと同じで、最低限の日本語が話せていればできるかと。取材スキルは、経験を積めばついてくるものだと思います。
ふむふむ。特別なスキルがなくても、取材にチャレンジすることは可能なんですね。でも、相手のペースに合わせて話しやすい空気をつくるというのは、やはり経験がないと難しそうだなと思うんですが…。
相手に合わせた話し方を意識することは大切です。ただ、人のお話を聞くような仕事の経験がないとできないかと言うと、そんなことはありません。私はよく喋るタイプではないし、場を盛り上げるタイプでもない。取材をするのに、話し上手である必要はないんです。
どちらかと言えば、聞き上手である方がいいんでしょうか。
もちろん聞き上手である方がいいのでしょうけど、それも絶対ではないと思います。それでいうと、沈黙を苦痛に感じないこともポイントですね。相手が沈黙してる時は、こちらの質問の回答を一生懸命考えてくれている場合があるので、待つ姿勢はあった方がいいかもしれません。
沈黙、私が苦手とするところです(汗)。沈黙が怖くて、ついつい声を出してしまうんですよね。「これはどうですか?」「じゃあこれは?」と、インタビュイーの話を無理やり引き出そうとしてしまいます。
私の場合は、経験と共に「あ、今は考えてる沈黙だな」と、わかるようになりましたね。
待つ姿勢も大切なんですね。梅原さんのお話を聞いて、取材に対するハードルが少し下がった人もいるのではないでしょうか^^
取材が難しくないというと嘘になりますが、選ばれた人にしかできない仕事ではない気がします。SEOなど他のライティングと同じように、記事のクオリティを高めていく努力は続けていく必要がありますけどね。
まずは経験を積み上げていくこと、そして努力も必要なんですね。例えばですけど、インタビュイーって誰もがお話し上手なわけではないと思うんです。もし、お話しの不得意な方がお相手だったとしたら、梅原さんはどのように会話を広げていきますか?
そういうパターンはありますよね(笑)。気持ちよく話してもらうことも大事ですけど。思い切って、ズバっと聞くことも必要かなと思っています。
ズバっとですか!
インタビューという形だからこそ、普段なら聞けないような話も聞けちゃうわけです。「こんなことを聞いたら機嫌悪くならないかな?」とか色々考えますけど、思い切って聞いてみたら、案外普通に答えてくれることもあります。
それは…ネガティブなことを聞いてみるということですか?
まぁそうですね。私が取材するのは、基本的に事業のメリットや魅力を発信したいという方々です。その中で「現状の課題」を聞くこともあります。
課題面は確かに、インタビューの現場だからこそ聞けるお話ですね。課題がない企業というのはまず無いでしょうし、会話が広がりそうです。
もちろん失礼にならないように、聞き方は工夫しますけどね。
オンライン取材では相づちや表情管理に注意
取材する時に心がけていることはありますか?
オンラインでの取材なら、相づちの回数や表情管理に気を付けています。
相づちや表情管理ですか。
画面越しだと感情が伝わりにくいですからね。オンライン取材の時は相づちの数を増やしてみたり、普段よりも表情を豊かにしてみたり工夫しています。
リアクションを大きくしてみるという感じですか。
そうですね。インタビュアーが難しい顔をしているよりも、ニコニコしていた方がインタビュイーは話しやすいと思うので、意識してリアクションを大きくしています。
ふむふむ。たしかに画面越し相手の反応って気になります!「この話、この人に全然刺さってないな」とか、頭で考えながら話しているかもしれません(笑)。
そうですね。インタビュイーの中には、一生懸命取材の準備をしてくださる方もいるので、少しでも気持ちよくお話ししてもらえるよう心がけています。
前職で培ったスケジュール管理術
取材の時の心がけとして、時間配分にも気を遣っていますね。リアルタイムで行われる取材は「生もの(ナマモノ)」ですから。
「取材が生もの」は、初めて聞いた表現です。
質問に対する回答を聞きながら、さまざまなことを頭に巡らせています。“次の質問どうしようかな”、“面白そうな話だけど、深掘りしすぎたら他の質問ができないな”とか。
限られた時間で、記事に必要な情報を得るって大変なんですね。
企業相手なら「取材の時間が1時間しかとれません」と言われることもありますし、こちらからも何時何分ぐらいに終了しますのでと、先に伝えることもあります。時間のお約束はきちんと守らなければいけませんね。
お話しを聞きながら、時間を気にしながら…頭がいっぱいいっぱいになりそうです。
私は、前職で医療や介護の現場で働いていたのですが、その時は分刻みのスケジュールを決めて動かなければなりませんでした。なので、「取材で決められた時間で聞きたいことを聞く」という訓練は、前職でできていたのかなと思います。他には、人から聞いたことを文字にして残す、初対面の人と当たり障りなく話す、といったスキルも今の仕事に生きていますね。
時間管理やコミュニケーション術など、前職の経験が取材にも生かされているんですね!
知らない世界に出会える取材ライター
梅原さんが、取材ライターになってよかったと思うことを教えてください。
取材の一番おもしろいところは、今まで生きてきた人生でまず出会わなかった人と出会って、いろんな話を聞けることです。
これまでに、どんな方を取材されたんですか?
企業の社長や広報担当の方、大学教授、自治体の職員さんとか。個人事業主の方や専業主婦さんまで本当に幅広くお話を聞かせてもらいました。
普通の会社員として生きていたら、会わない方々ばかりですね!
知らない世界を見ることができるので、自分の世界が広がりますよ。
例えば、「取材をとおして、こんなことに興味をもった」というエピソードはありますか?
以前、取材音源をもらって、エンタメ系の記事を書いたんです。あまり詳しくないジャンルのタレントさんだったので、詳しくリサーチして記事を完成させました。納品が完了してからは、テレビ出演していたり、CMやYouTubeで見かけたりすると、「○○さん頑張ってる」って嬉しくなって、応援するようになりました。それまではよく知らなかったのに。
調べていくうちにそのタレントさんを好きになっちゃったんですね。
「推し」が増えました(笑)。
取材をとおして楽しみが増えるって素敵です!
取材を始めてよかったことがもう1つあります。私が取材する内容は、「こんな素晴らしい取り組みをしています」とか「良い製品を皆さんに広めたい」といった、ポジティブなものが多いんです。必然的に、取材時もほとんどがポジティブな話題なんですよね。頑張っている方々の話を聞くと、私まで元気がでます。
「取材をしていると、知らない世界が見られる、ポジティブな話を聞いて自分もモチベーションが上がって元気になれる」、最高に前向きなお仕事ですね!
私の場合は、その2点が魅力に感じます。
取材の目的は「記事を完成させること」
取材ライターを始めて、苦労した経験があれば教えていただけますか?
まず1つは、SEO案件のように案件数が豊富ではないことですね。案件数が少ない分、1回1回を大事にしなければなりません。
たしかに、SNSでも「取材の仕事ってどこで探せばいいの」と悩んでいる方もお見かけします。
クライアントを見つけることも難しいし、継続してもらうとなると、さらに難易度が上がります。それに、取材そのものは1発勝負です。取材がうまくいってもいかなくても、記事は書かなければならないというところは、難しく、苦労している点です。
うまく情報を聞けなかったからもう一度、というわけにはいきませんよね。ちなみに梅原さんは、どんな人が取材ライターに向いていると思いますか?
「人の話を聞くこと」を楽しめる人、おもしろがれる人ですかね。割りがいいか悪いかで考えると、時間を取られる面も多いですし。
私もこうしたインタビューは毎回毎回緊張しますし、人と会うのが楽しいって思える人じゃないと難しそうですね。
うーん、「人と会うのが楽しい」も大切なんですが、お相手のことや取材内容を、好きで楽しめることの方が大切だと思います。例えば、愛想が良くなくても、沈黙が多くても、 大事なことを聞き出せてインタビュー記事を完成させられたらOKなわけですから。
な、なるほど…!
取材の現場がすごく盛り上がるとか、楽しい取材にすることが目的ではないと、日々自分に言い聞かせています。
そうは考えたことがなかったです。たしかにその場が盛り上がっても良い記事が書けなかったら何も意味がありませんよね。「取材は記事を完成させることが目的」勉強になりました。
オンラインインタビューの流れ
今回は、梅原さんに取材の流れについてお聞きしました。
オンラインインタビューをするときの流れを5ステップでご紹介します。
1. 打ち合わせ
まず、ご依頼があったら、以下の内容をクライアントと打ち合わせします。
- どういう意図のご依頼か
- ターゲット層
- 記事の方向性
- どのような情報が欲しいのか
2. 取材準備
クライアントと記事の方向性を共有したら、取材の準備を進めていきます。
企業相手だったら、企業のWebサイトをリサーチし、同じようなインタビュー記事が既にあるようなら、じっくり読み込みます。
クライアントの依頼やリサーチした内容に基づいて質問項目を作り、インタビュイーに送信。
準備の段階で、おおまかな構成は考えておきます。
取材するときの質問内容はご自身で考えるんですか?
ケースバイケースですね。クライアントからざっくりとした質問事項がくるときもありますし、自分で全て考えることもあります。
「何を聞くか」ってどんなことを意識しながら決めていくんですか?
例えば、以前個人事業主のクライアントから、「Webサイトに掲載するプロフィールページを作りなおしたい」というご依頼をいただいたんです。そのときはクライアントのことを紹介するような感じで、取材記事を書いてほしいとのことでした。
事業内容を紹介するのはもちろんですが、クライアントの事業に対する想いの部分を軸に、クライアントの人柄が伝わるよう、質問事項や構成を考えました。
事業に関する質問だけでなく、クライアントの人柄が分かるような質問も用意するんですね。
同じような商品やサービスがたくさんある中で、Webサイトを訪問した人が、「この人に頼みたい」と思ってもらえることが大切ですからね。
3. 取材
いよいよ取材当日!
オンライン取材の場合は、Zoom・GoogleMeet・MicrosoftTeamsのツールを使用します。
録音には、ボイスレコーダーに加え、ZOOMなどの録音機能、さらにスマホの録音アプリも使用。
録音をし忘れるという事態を防ぐために、複数のツールを使って録音しています。
4. 文字起こし
取材の記憶が新しいうちに、文字起こしに取り掛かります。
文字起こしには、専用ツールを使用。
一旦録音したものを全文起こして、必要な箇所を抜粋していきます。
文字起こしツールは、以前まではNottaを使用していましたが、最近はCLOVA NOTEを使用しています♪
5. 構成・執筆・納品
文字起こしができたら構成をつくります。
不足している情報があれば追加でリサーチ。
執筆までできたら、クライアントに初稿を提出し、修正があれば対応します。
取材のご依頼は梅原ひかるさんまで
取材について詳しく教えていただきありがとうございました。
取材を受ける側は初めてだったので、楽しかったです!ありがとうございました。
梅原さんは「想いを引き出し、書いて、届ける」をコンセプトに、幅広いジャンルの取材をされています。取材ライターをお探しの方は、梅原さんのポートフォリオをご覧ください↓
梅原さんの普段の活動が知りたい!という方は、梅原さんのXをフォローしてくださいね^^