こんにちは、Webライターのちゅんです♪
「今の仕事は自分に合っているの?」「Webライターとして将来が不安」
そんな、将来の方向性にお悩みのWebライターさんにお届けしたい!インタビュー企画「Webライターの未来設計図」。
第6弾となる今回は、美容ライターの福永ももさんにお話を伺いました!
美容師やエステティシャンの資格を活かして、ヘアケア・脱毛・美容整形など幅広いジャンルの記事の執筆や監修を行う福永さん。美容ライターとして稼いでいくには、どのような資格や知識が必要になるのでしょうか。
美容記事に興味のある人、薬機法ライターを目指している人は必見ですよ♪
なにかと文章表現が制限される美容ライターさん。私自身が気になっていたことを根掘り葉掘り聞いてみました!
美容ライター・福永ももさんのプロフィール
今回は、美容ライターの福永ももさん(@momo10man)に、インタビューさせていただきました。
福永さんは、美容師やエステティシャンとして、10年以上美容のお仕事に携わってきた美容のスペシャリスト。
前職をやめてから金銭面に不安を感じ、お金の勉強をスタートされたそうです。
家計整理のために不要な保険を解約し、解約返戻金を使ってパソコンを購入。パソコン経験ゼロの状態からWebライターとして活動を始められました。
今では、美容ライターや記事の監修者として、美容業界を支えるママライターさんです。
福永ももさんインタビュー【疑り深さが仕事のカナメ!美容業界を支える美容ライター】
美容ライターってどんな仕事?
今回はお忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございます!美容ライターの福永さんは、具体的にはどんな記事を書いているんですか?
ライターを始めた頃は、脱毛と美容整形のSEO記事を書いていました。あとはAGA(男性型脱毛症)とか。そのあたりをメインで書いていましたね。
最近はどんな記事を書いていますか?
プロフィールで美容師などの経歴を強くアピールするようにしたら、大手ドラッグストアの化粧品紹介や、スキンケア関連のコラムの仕事が入ってくるようになりましたね。あとは、美容クリニックのインスタ投稿を作る仕事もやりましたよ。
一括りに美容といっても、内容は幅広いんですね!福永さんは、最初から美容の記事を書こうと決めていたんですか?
いえ、そうではないですよ。最初は、ジャンル問わず興味のある案件や、自分が書けそうな案件に応募していました。
美容以外の記事を書いていた時期もあったんですね。
はい。 ただジャンルがバラけているせいで、リサーチに時間がかかってしまうことが、だんだんストレスに感じるようになりました。美容に関しては、美容師時代に接客の流れでお客様に説明していたことだから、内容によってはリサーチしなくても書けるので、負担が少ないんです。そのことに気づいてからは美容に特化するようになりましたね。
美容に特化したのはいつ頃でしたか?
美容に寄せ始めたのはライターを始めて半年のころ、美容だけに絞ろうと思ったのは1年半経ったころですね。
ジャンルを特化すると収入は上がるのか
美容に特化してから、収入に影響はありましたか?
実は美容以外のジャンルで書いていた時も、文字単価は悪くなかったんです。でも、リサーチに時間がかかっていた分、収入はそれほど増えませんでした。
美容に特化してからは、リサーチ時間が短縮できてスパスパ書けるようになったので、文字単価が下がっても、時間単価は増えました。だから良い方に影響はあったと思いますね。
頭に情報が入っているから、執筆スピードが格段に早くなる、文字単価は下がっても、時間単価は上がる。なんとも興味深い話です!
気持ちの負担が無くなって、ストレスなく記事と向き合えるのも大きいですね。
たとえ報酬が高くても、ストレスのたまる案件は辛くなってきますもんね。美容ジャンルの中でも、内容によって単価は変わってきますか?
医療に近い分野は単価が高い傾向にありますね。化粧品でも、文字単価3円など割と報酬の良いクライアントはあるんですけど、医療分野となると5円くらいの案件もあります。
医療に近い分野というと、どのような内容になるんですか?
需要が高いのはAGAとか、美容整形とかですね。ただ、やはり文字単価が高いこともあって、美容師経験だけでは採用されない場合もあります。医療に近い分野になるほど医療従事者のライターさんが初見で選ばれやすいです。
美容ジャンルで単価を上げようとすると、より専門的な知識が必要になってくるんですね。
接客トークがそのまま記事内容に
「美容師だったころの経験が活きたな」と、感じたエピソードはありますか?
美容師時代にしていた接客トークを、そのまま記事に活かせたことですね。
例えば、まつ毛美容液の紹介文を書くとき、 まつ毛エクステをしていた人にお客様に伝えていたことをそのまま文章化しました。髪の毛の構造やトリートメントの成分などもリサーチしなくても理解しています。だから、リサーチはほとんど必要ありません。
それほどリサーチしなくても権威性や説得力のある記事が書ける、体験談を交えた一次情報も組み込めるからコピペも怖くない。経験って最強の武器ですね!(尊敬のまなざし)
美容に関する資格を保有していない人が美容ライターを目指す場合と比べたら、スタートラインで得をしている感じはしますね。
ゼロの状態からリサーチするのと、だいたい頭に入った状態でリサーチするのとは、執筆時間や正確性に差ができそうです。
例えば、私はカタカナの暗記がすごく苦手なんですが、 美容に関わる言葉はカタカナがいっぱいなんです 。なんとかコラーゲンとか、ビタミン〇〇とか。もし、そうした知識がゼロの状態だったら、成分の名前とかを覚える気にもならなかったと思います(笑)
カタカナの暗記って似ている言葉も多くて、覚えるのに苦労しそうですね…(汗)。
薬機法管理者の資格があれば採用されやすいって本当?
美容ライターって薬機法管理者の資格がないことで、採用されにくくなったり、執筆に支障が出たりするものなんですか?
執筆の難しさは経験値によると思います。でも、採用されるかどうかは、薬機法の資格がある方が有利ですね。
実際に、薬機法管理者の資格があって得した経験はありますか?
クラウドワークスで、ライティングのスカウトを受けた時に、クライアントが「医療関係の資格を持っている人を探している」と言っていたんです。
スカウトが来た時点では薬機法の資格を持っていなかったんですが、そこから3週間猛勉強して、薬機法管理者の資格を取りました。
さ、3週間ですか!?
はい。クライアントに「検定に受かりました」と連絡をして、本採用になりましたね。もしこれで資格をとれていなかったら、採用候補の土俵にも上がれなかったと思います。
私のリサーチ不足なんですが、勝手なイメージで薬機法管理者の資格は、数年かけて取得するものだと思ってました!スクールに通ったりしないといけないんだろうって。
実は取得するのに、そこまで期間はかからないんですよ。人それぞれ学習ペースが違うので一概には言えませんが。
薬機法管理者の資格を持っていたら「薬機法ライター」を名乗れるのだろうと思うんですが、YMAA認証マークの資格(薬機法・医療広告ガイドラインの知識を習得した広告取扱い担当者としての評価)だけでも、「薬機法ライター」の肩書きを使うことができるんですか?
YMAA認証マークの資格内容にも薬に関する出題があるので、「薬機法ライター」を名乗ることはできます。あ、一応お伝えしておくと「薬機法管理者を持っている=薬機法ライター」とも言い切れないんですよ。
え、そうなんですか?
はい。薬機法管理者の資格を持っていたとしても、薬機法に関する執筆経験が少なければ、法に触れるような記事を書いてしまう恐れがあります。
だから、どの資格を持っているかが重要なのではなく、どれだけ執筆経験があるか、法に触れない正確な執筆ができるかの方が重要だと、私は思います。
たしかに。たとえ資格を持っていても、「この表現アウトでしょ」というヒヤヒヤする内容の記事を書いている人を「薬機法ライター」と呼ぶのは危険ですね。
そうなんです。ただ、採用時に「この人は薬の表現に詳しい」と判断できる材料が、やはり薬機法管理者やYMAA認証マークなどの資格になるわけです。美容ライターを目指している人は持っておいて損はしませんね。
ちなみになんですが…薬に関連した資格として、私は「登録販売者」の資格を持っているんですが、私も薬機法ライターになろうと思えばなれるんでしょうか?
登録販売者の資格を所有していて、「薬機法ライター」として活動されている方もいらっしゃいますよ。
えーーー!それはちょっと衝撃!知りませんでした。
登録販売者の資格持っているのに、薬機法管理者の資格がないという理由で、薬機法ライターをあきらめている人も多いかもしれません。教えてくださってありがとうございます。
せっかく取得した資格ですから、活用していきましょう♪
「監修者」はライティングスキルよりも権威性
医療系の記事を読むと「監修者」という言葉を良く目にするんですが、監修者ってどんな人がなれるんですか?
医師や看護師、薬剤師などの国家資格を持っていたり、キャリアがあったりして、権威のある人なら監修者になれます。私の場合は、サロン勤務歴が長いところが評価されて、監修者を任されました。
監修者って何をするんですか?
ライターが書いた記事をチェックするだけのパターンもありますし、監修者自身がコメントや記事本文の執筆を行うパターンもあります。
監修者になるにも、ある程度のライティングスキルが求められるんでしょうか。
ライティング力よりも権威性の方が重要視されるイメージですね。
なるほど。監修者には文章の良し悪しを判断するよりも、正確な情報を届けることや、記事の信頼性を高めることが求められるんですね。
断言せずに説得力のある表現を
福永さんが、美容記事を書く時に心がけていることはありますか?
美容記事と薬機法は関連が深いので、執筆した内容が法律に触れていないかは注意深くチェックします。
たしか、「この薬を使うと痩せます!」のように断言したらダメなんですよね?
そうですね。「効果があります」とか「シミが消えます」とかはNG。「~可能性があります」のように断言しないような表現にします。
断言せずにぼかした表現にすればいいんでしょうか。
表現をぼかせば良い、というわけでもないんですよ。「“一般的にはそう言われています”のような曖昧すぎる表現も、嘘を書いているように見えてしまうからダメ」と指摘されたことがあります。
がんじがらめですね…。断言せずに説得力を持たせる表現は難しい!
慣れるまでは難しいと思います。あとは、成分表記ですね。
例えば、化粧品の成分にコラーゲンが入っているとします。「この化粧品にはコラーゲンが入っています」だけではダメです。なんのためにコラーゲンが入っているか、ということを絶対に表記しないといけないんです。
「コラーゲン=肌が潤う」というイメージがあるから、なんのために入っているかは省略してもよさそうですけどね。それではダメなんですね。
そうですね。セラミドという保湿成分があるんですが、それについても「セラミドが配合されています」だけではなく、注釈に「※セラミド(保湿成分)」と書く必要があるんです。
うむむ…難しい。
あとは、医薬部外品と化粧品の違いです。
例えば「シワに効く」とか「シワ改善」といった表現は、普通の化粧品だと書いてはいけません。でも医薬部外品の特定の商品にだけ使えるというパターンもあります。
頭がこんがらがりそう…!執筆時はもちろんですが、チェックするのも大変ですね。
そうなんです。本当にちょっとした間違いで、簡単にルールを破ってしまう怖さがあります。
表現の違いで、簡単に法律違反してしまうのは怖いことですね。
実を言うと、企業の公式サイトやLP(ランディングページ)でも法律違反になってしまっている場合があります。「薬機法的には良くない表現だけど、公式情報として書いてあるんだからいいや」と、表現を変えずに書いてしまうライターもよくいるんですよ。
「公式サイトを信用しておけばいいだろう」という気持ちはすごく分かります。
同じようにやってしまうと自分の価値が下がってしまうので、そこは徹底してチェックしています。
公式情報を信用しすぎず、薬機法のルールに則って記事を書く。その方がライターとしての信頼性が上がりますね。公式サイトやLPの表記の誤りに気づいた時は指摘するんですか?
指摘したことはあります。その時はエンドクライアントに薬機法について詳しい人がいなかったんですよ。だから指摘したあとは「薬機法に関して全て福永さんにおまかせします」と言ってもらえて、執筆しやすい環境になりましたね。
公式サイトが法律に触れている企業の下で記事を執筆するのは、ライター側もリスクが高いですもんね。そのことを理解しつつも、福永さんのように行動に移せるライターはなかなかいないと思います。
法律違反を防ぐための対策や工夫
法律違反を防ぐための対策はされていますか?
美容ライターの強い味方「薬機法ドットコム」というサイトがあるんですよ。薬機法管理者の検定を主催している会社が運営するサイトなんですが、「この表現ならセーフか、アウトか」ということを教えてくれます。
それは心強いですね!
薬機法ドットコムのサイト内の「教えて薬事法-薬機法FAQ」というページがあるんです。例えば「有効成分という言葉って化粧品に使ってもいいんだっけ」と悩んだ時に、「有効成分 化粧品」とサイト内検索すれば、だいたい答えが出てきますよ。
なるほど。薬機法が関わる記事を書くときは、薬機法ドットコムに聞いてみると良いんですね。
はい。便利ですよ♪余談ですが、薬機法管理者の資格を取得した人は、薬機法ドットコムに3回直接質問できる特典があるんですよ(通常は有料です)。
プチお得情報までありがとうございます!
あと、法律違反とは違うかもしれませんが、ありがちなのはカタカナの書き間違いです。成分や美容機器の名前など、分かりにくい名前のものが多いので、間違えやすい言葉は単語登録していますよ。
単語登録しておけば、間違える心配もありませんね♪正確な記事を書くためには、さまざまな工夫が必要なんだなー!
自分の書いた記事でも疑うことが大切
今までに薬機法的にはNGな表現で書いてしまった経験というのはありますか?
ありますよ~!でも最初の頃は、この道のプロが間違いを教えてくれていたので、指摘してもらったところを全部メモしていました。そのメモを見ながらチェックを繰り返して、スキルを身につけていきましたね。
やっていくうちに慣れるものなんですか?
そうですね。最近では「この表現、なんか怪しいな」というのが、ピンとくるようになりました。
え、すごい!勘が働くようになったんですね。
美容ライターに一番必要なスキルは、「自分の書いた記事を疑う」ことだと思いますね。
う…意外と難しいですよね。人が書いた記事の間違い探しはできるけど、自分の書いた記事だと気づけない。
そうした意識がないと簡単に法律違反してしまうので、疑り深さが仕事のカナメだと思います。
薬機法ライティングの流れ
今回は、福永さんに薬機法ライティングの流れを教えていただきました。
よくあるSEO記事と何が違うのでしょうか。美容ライターを目指している方はぜひ参考にしてくださいね。
1. リサーチ・構成
クライアントからキーワードの指示が来たら、リサーチから始めていきます。
最初にGoogleの上位記事を調べると、上位記事の内容に引っ張られてしまうので、まずはその記事で何を一番伝えたいのかを決めてリサーチしていきます。余計な情報は極力含めません。
薬機法の記事を書くときと、美容ジャンル以外の記事を書くときと、構成の作り方に違いはありますか?
タイトルのインパクトが強くなりすぎないように意識しています。インパクトが強すぎるタイトルには、断定しないように「?」を使って表現を和らげます。
SEO記事ではインパクトの強いタイトルが推奨されていますが、逆のことをするんですね!
はい。あと、ネガティブなキーワードってあるじゃないですか。「市販品で良くないシャンプー」とか。大手メーカーの商品の印象を下げてしまう内容になりそうなものです。
そんな場合は「悪いとは言われていますが、市販で売られている限り、そんなことはありません」みたいに柔らかく書くようにしています。他社を落とす表現も法律ではNGですからね。
ネガティブなキーワードを柔らかく書くんですね。ブログを運営する場合でも、ネガティブキーワードはリスクが高いと言われていますから、注意が必要ですね。
2. 公式サイトやLPで商品チェック
化粧品を紹介する記事を書く場合、公式サイトやLP(ライティングページ)に化粧品の成分が書かれています。
何の成分が入っていて、どんな配合目的があるのかをチェックして、箇条書きにしていきます。
あと、どういったコンセプトの商品なのかもチェック。
3. 執筆・校正・最終チェック
執筆、校正が済んだら、最後に注釈として書かなければいけないことがないかをチェックします。
例えば、化粧品などで「アレルギーテスト済み」と書くなら、「全ての人にアレルギーが起こらないわけではありません」という注釈が必要。
また「ぐんぐん潤う」や「肌の奥まで浸透する」という、他の商品よりもうるおい効果が高い印象を与えそうな表現についても、「※角質層まで」と注釈をつけるようにします。
抜けていないか、念入りにチェックします。
美容記事のご依頼は福永ももさんへ
福永さん!美容記事や薬機法について詳しく教えてくださってありがとうございました!!
こちらこそありがとうございました^^
福永さんは、美容師やエステティシャンの経験があり、全身の美容に関する知識が豊富なライターさんです。
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