こんにちは、Webライターのちゅんです♪
将来の方向性に悩むWebライターさんにお届けしたい!インタビュー企画「Webライターの未来設計図」。
第3弾となる今回は、シナリオライターのはる*さんに、シナリオライティングについてお話を伺いました!
0から物語を作るシナリオの世界。はるさんはどのようにストーリーを考えているのでしょうか。
シナリオライターについて気になっている方必見ですよ♪
同じライティングでも、SEO記事とは全く異なるシナリオライティングについて、今回も根掘り葉掘り聞いちゃいました!
シナリオライター・はる*さんプロフィール
今回は、シナリオライターのはる*さん(X:@sewing_haru)に、インタビューさせていただきました。
もともとは養護教諭として、小中学校で8年間勤務していたはるさん。
妊娠中に退職し、養護教諭に復職しようと市役所へ保育園の手続きに足を運んだところ、窓口は大行列。退職していては点数も低いため保育園は絶望的に…。
育児中の気晴らしにハンドメイドの制作や販売を始め、さらに安定的な収入を得るためにWebライターとして活動をスタートしました。
現在はシナリオライターだけでなく、放送作家や動画編集者としても幅広く活躍されています。
はる*さんインタビュー【奥が深すぎるシナリオライティングの世界】
シナリオライターは脚本家?
はるさん!私ライター4年目になるんですが、実はシナリオライティングに一切触れたことがなくて…(汗)。シナリオライターってどんな仕事なんですか?
シナリオライターというのは、YouTubeや漫画の原案、ゲームのシナリオなどのストーリーを書く仕事です。
ストーリーを書くというのは、具体的にどんなことをするんですか?
自分で考えたシナリオに沿って、セリフや心情を描写していきます。依頼内容によっては、動作や場面の状況、効果音の指示などの【ト書き】を入れて執筆することもありますね。
おぉ~ドラマとか舞台の台本ってイメージでしょうか。
少しニュアンスは違うんですが、「脚本家」みたいなものを想像してください♪
シナリオライターってある意味、脚本家なんですか!?
イメージとしては、そんな感じです。請求書も“執筆代”ではなく“脚本代”と書きますしね!「書く仕事」だから「ライター」ではあるんですけど、WebライターとしてSEOライターなどと同じ枠に入れていいのか?って思うくらい別世界な感じがしますね。
インタビュー初っ端から衝撃を受けました…!
シナリオライターを始めたきっかけは「共感」
はるさんは、何がきっかけでシナリオライターを始めたんですか?
Webライターを始めて最初のころは、SEOライターをやっていたんですよ。でも、クライアントからの「共感文を入れてはいけない」という指示がなんだか苦手で…。ただ事実や情報だけを書くのが嫌だったんです。
クライアントによって、SEO記事に共感文を入れる場合と、入れてはいけない場合がありますもんね。
そうなんです。共感文を入れてはいけないSEO記事ばかりだったら、ライター業を続けられていなかったと思いますね。SEOだけでは辛くなってきた時に「コラム」を書き始めました。
コラムは、型に決まりがないからでしょうか?
はい。コラムは自分の意見を書いたり、誰かの意見に共感したりできますからね。そのうちブログを始めて、SEO・コラム・ブログの3つの形を作ったら、気持ちが楽になりました。
色んな形で「書くこと」を続けたわけですね。
そうして続けていたら、あるときクラウドソーシングで「YouTubeチャンネルのシナリオライター募集!」という、スカウトが届いたんですよ。そこではじめて「YouTubeチャンネルには【シナリオ(台本)】がある」ことを知ったんです。すごく興味が湧きましたね。
そのスカウト案件には応募したんですか?
これがですね、地雷案件だったんですよ(笑)。なんと8000文字で500円!
…。(絶句)
文字単価おかしくないか?って気になり始めて、シナリオライターの単価を調べたんです。そうしたら、シナリオライター自体はそんなに高単価なものではないけど、時給換算すると稼げるということを知り、自分の中で最低相場を決めて応募し始めたのがきっかけですね。
「やってみたい!」という勢いで突っ走らず、報酬面をきちんとチェックしてから応募する!大事なことですよね…!
シナリオライターの報酬事情
シナリオライターの単価のお話がでましたが、シナリオライターは「これができるなら報酬が上がる」とかいうシステムはあるんですか?
いや、本人のスキルがどうというよりも、YouTubeチャンネルの視聴者数が上がったり、チャンネル登録者数が上がったりしたら、報酬が上がる場合があるという感じですね。
「何本書いたら単価がアップする」みたいなシステムではないんですね。
低単価の案件は「単価アップの可能性がありますよ」と書いて、ライターを引き付けている場合があるので要注意ですね。
そのあたりはSEOライターと同じですね!単価アップで釣っておいて、蓋を開けたらいくら書いても単価が上がらずに安いまま書かされるみたいな…。
YouTubeチャンネルの規模の大きさによっても報酬が大きく変わりますね。チャンネル登録者数の多い大きなチャンネルなら、そもそも単価が高いこともあります。
クライアントの資金力の問題ということですね。
立ち上がったばかりのチャンネルだと採用されやすい一方で、様子を見られたり、すぐに切られたりする可能性があります。あんまり数字の伸びが良くなかったら、切られることもあるあるですよ。
大きなチャンネルだと単価が良くても採用されにくい、立ち上がったばかりのチャンネルは単価が低いけど採用されやすい。なるほど。
シナリオライターに必要なのは…
シナリオライターを目指すにあたって、必要なスキルはありますか?
シナリオライターは、
①想像力
②分析力
③言葉遊び
④柔軟な対応力
が求められます。
まず、想像力とは?
想像力は、物語を構築していくうえで必要不可欠ですね。シナリオは、なにもない場所に物語の世界をつくっていくので。日常的な妄想が大切です(真剣)!
妄想が大事!(メモメモ…)続いて分析力…?
「ストーリーの山場をどこにもっていけば、読者や視聴者を惹きつけられるか」、それは分析しないと分かりません。ストーリーの流れ、読者や視聴者の傾向、発信媒体の特徴など、総合的に分析をしながらストーリーを作っています。
ストーリーを作るために分析するとは、意外です。
「A社のクライアントのチャンネルでは大人気の物語だとしても、B社のクライアントのチャンネルでは不人気…」ということもあるんですよね。その都度、臨機応変な対応が必要になります。
③の言葉遊びのスキルはなぜ必要なんですか?
どんなに素晴らしいストーリー設定をしても、内容が伝わらなければ読者や視聴者は離れていきます。
確かに、内容がわからないと心に刺ささらないですね。
特に、キャラクターがいる場合の【セリフ作り】は、キャラクターごとに口調を変えなければなりません。また、セリフは【説明口調】になっても違和感がありますね。「いかに、自然に伝えるか」が大切なんですよ。
違和感なく自然に流れるように言葉を選んでいく、日頃から人の会話に注目していないと難しそう。
最後に柔軟な対応力です。自分でストーリーを作ると、こだわりを持ってしまうことがあります。
0から考えたオリジナルストーリーなら、こだわりを持ってしまうのも当然だと思います。
「ここはどうしても残して欲しい!」と思っていても、クライアント側にとっては【不要】ということも当然あります。
それは悲しいですね。
シナリオライティングには正解がないんですよ。
感覚的なフィードバックをもらうことが多いので、「イマイチ盛り上がりに欠ける」とか「ここにもう1回打撃をください」などの、ふわっとした指摘に対応しなければなりません。
打撃ってなんだ?って頭を抱えそうです(泣)
そのあたりはクライアントとすり合わせをしつつ、柔軟に対応する力が必要となっていきます。そして、ある程度ハートの強さも必要!
日常生活の全てが「ネタ」に!
はるさんは、シナリオライティングをどのように学びましたか?
完全に独学です。何かを見て学ぶというよりも、実践の中で学びました。
何も知らない状態から、実際にやってみて学ぶのですか?
そうです。初心者向けの案件だとマニュアルがありますしね。中には70ページ以上ある長編マニュアルもありましたよ。マニュアルを参考にしながら、自分のやりやすい方法を探していきました。
ちなみにですが、シナリオの「ネタ探し」ってどうしてます?
よくやるのは「人間観察」ですね。ライターになる前から漫画や映画が好きで、人の観察も好きでした。私、勉強の記憶力は悪いのに、人が関わる記憶力がいいんですよ。
人が関わる記憶力ですか。
そう、人が関わったストーリーの記憶力だけがいいんです。養護教諭時代に、子どもが話した内容を覚えていなきゃいけなかったこともあって。
保健の先生だと、色んな学年の生徒と接しますし、一人ひとりのエピソードを覚えるのは大変そうですもんね。
それも慣れていくもので、今はその時の経験が活かされています。周りの人の会話、やり取りを聞いて、「こういう言い返しもあるか」とデータを出したりしていますよ。
実際に、そうした日常からシナリオが生まれることってあるんですか?
生まれることもありますね。街中で変わった人を見かけた時に、「あ、この人はこういうシチュエーションで登場させたら面白いな」とか。
特徴のある人なら、インパクトのあるキャラクターが生み出せそう!
あとは人に優しくしてもらった時に、「でもこういうシチュエーションだったら残念な感じになるよね」って別視点で見ることもあります。ただ見るんじゃなくて、「仮にこうだったらこうかもしれない」っていう考えを持ちながら見ていますね。
別視点で見るってすごい高等技術な気がします。それだとはるさん、外にいる時は、常にアンテナを張っている状態なんですね。
確かにそうかも(笑)。シナリオを書いていない時もずっとストーリーのことを考えていますからね。
ずっとですか!
仮に幼児向けのキャラクターを生まなきゃいけない時、ずっと家の中で考えていても思いつきません。それなら、子どもと出かけちゃいます。
例えば、お子さんとどんな場所に行かれるんですか?
公園に遊びに行ったり、買い物へ行ったりします。お菓子やおもちゃのパッケージを見たりしながら、「この動物いいな」とか「果物が話しててもおもしろいな」とか、思いついたことは、すぐにスマホにメモしていますね。スマホの中はメモだらけ(笑)。
そうした日々の蓄積が、今の仕事につながっているんですね。
動画編集を始めたら見えないものが見えた
最近始められた放送作家や動画編集も、シナリオのお仕事がきっかけですか?
そうなんです…!(圧強め)
シナリオライターの仕事をしていくうちに「どうすれば、読者や視聴者がもっと釘付けになるのか」と、【動画の魅せかた】が気になってきたのが、きっかけです。
動画の魅せかたですか。
例えば、画像を使いながら執筆するシナリオの時。素材と実写を組み合わせて動画の中でやり取りをしてもらいたい場合に、ライター側は、手をつないだり、手を叩いたりする動作を簡単にイメージして執筆するけど、動画編集側からすると「それは難しい」と言われたんです。
何が難しいのか、私には分かりません(汗)
「実写の人が果物(画像素材)を食べる」という動画を作る場合、キレイに食べていくイメージがあったんですよ。でも動画編集すると、果物は画像素材なわけだから、食べるというよりも食べ物を削っていく感じになるんですよ。ザクッザクッって。
幼児向けのYouTube動画だと、確かに「食べ物を食べている」というより、食べ物の絵が削れていってますね!
ライター側は「果物をきれいに食べる」と書く。それを見た動画編集者は「きれいってなんだよ!」って思うんですよ。画像素材を使って表現しないといけないわけですから。
「きれいに食べる」を果物の素材を使って、動画で表現するのは難しそう。
だから、ライターは余計なことを書かずに「果物を食べる」という書き方にした方が、動画編集者の自由度が上がるので親切だということになります。
なるほど~!!
もう1つ実際にあったケースでは、YouTubeの恋愛漫画シナリオ動画を作る時、セリフと動作が合わないことがあったんですよ。
それは、視聴者が違和感を持ってしまいますね。
漫画イラストは口しか動かないんです。でも私はそれを知らなくて、「手を握る」とか「抱き寄せる」とかで表現しちゃったんですよ。そうすると、ストーリーが丸ごと変わってきます。抱きしめたいけど抱きしめられない状況で、もどかしい気持ちを表現しなきゃいけなかったんですよね。
ふ、深い…!深すぎます、シナリオの世界!
「編集する人からみても、編集しやすいようなシナリオを作りたい!」と思い、放送作家や動画編集の仕事も始めましたね。動画制作の全ての流れを知ることで、シナリオライターとして指摘されたことがやっと理解できました。
動画の世界をライター側だけでなく、編集側から多面的に見る。シナリオライターさんの中でもそこまでされている方は少ないのではないでしょうか。脱帽です…!
シナリオライターの仕事の取り方
シナリオのお仕事は、どのように受注していますか?
シナリオ以外のライター案件と同じように、受注方法はたくさんありますよ。
- クラウドソーシングで応募やスカウト
- Wantedlyに応募
- シナリオ公募に出す
- 公式HPに直接売り込む
- YouTubeチャンネルに直接売り込む
- SNS経由で問い合わせがくる
- 自分のブログサイトへ問い合わせがくる
クラウドソーシングやブログ、SNSは、ライター界隈でも浸透していますが、シナリオ公募ってなんですか?
シナリオ公募は、例えばスマホの漫画アプリの出版社ですね。漫画原案を募集していることがあるんですよ。「こういう漫画を作りたいから、企画を出してください」って。そういう案件に応募します。
私も漫画アプリよく利用していますが、そんなところで募集がかかっているとは思いもよりませんでした!
漫画原案は、クラウドソーシングで募集がかかっているときもありますよ。
えー見たことがないです。今度ちゃんと見てみよう!
あと、私が大好きなアニメがあって、公式ホームページでシナリオライターの募集がかかったので応募したことがありますね。ただ通勤が必要な場合があって、業務委託だと断られることもあります。
通勤しなければならないパターンもあるのか。
あとは、好きなYouTubeチャンネルに「シナリオライター募集してませんか」って、直接売り込んだこともあります。好きなチャンネルなわけですから、自分に合うかどうかもあらかじめ分かりますし!
すごい行動力…!
ただ、シナリオライターを募集していないタイミングだと、採用されないことがほとんどですけどね(泣)。
これからもし、主婦さんがシナリオライティングを始める場合に書きやすいものってどんな案件ですか?
募集が多くて、取り組みやすいのは、YouTubeのスカッと系ですね。あとは、LINE画面で2人の登場人物がやり取りしている系のストーリーとか。
LINE画面のシナリオなんてあるんですか!?
はい。でも、YouTubeは取り組みやすい一方で、クライアントと好みが合わなかった場合に「全部やり直し!」とか、きついフィードバックをもらうことがあります。辛い思いをする可能性があることは、ここでお伝えしておきます。
SEO記事のように一部を修正ではなく、「0からやり直し」なのか…(泣)
ただ、1つでもYouTubeシナリオを経験すると、次の仕事につながりやすい事実があります。「YouTubeシナリオをやったことあります」って言えるのは強いですよ。全くやったことがない人だと、どこでも採用されにくいですから。
シナリオ初心者なら、修正が大変でもYouTubeシナリオで1回実績を作った方が次につながるんですね。
ただしクラウドソーシングでは、低単価の案件が数多くあります!まずは報酬の相場を調べるようにしてくださいね。
シナリオライティングの流れ
本インタビュー企画では、毎回ゲスト様に仕事のやり方について聞かせていただいています。
今回は、はるさんにシナリオライティングの流れについて教えてもらいました!
1.依頼内容のリサーチ
まずは、クライアントからの依頼内容を確認し、そのジャンルについてリサーチします。
クライアントが運営するYouTubeチャンネルや漫画があれば、参考にしていきます。
上記の内容は、主に【いいね】【コメント】【口コミ】を参考にして、分析していきます。
2.キャラクター設定
一貫性のあるストーリーにするためには、しっかりとしたキャラクター設定をしなければなりません。
キャラクターがブレていたら、そのブレが気になって物語に集中できません。
視聴者の離脱を防ぐためにも、キャラクター設定は非常に大切です。
どうして体格も決めるんですか?
体型ってとても重要なものなんです。たとえば、ストーリーの前半では「Aを見上げているB」と描写されていたのに、後半になって「Bを見上げているA」に変わっていたら、どちらのほうが身長が高いのかわからないですよね。
本当だ!!
それ以外にも、細かいキャラクター設定を作れば作っただけ、ブレることがなくなり、一貫性のあるストーリーが書けます。キャラクターに命も宿って、動かしやすくなりますよ。
3.プロット作成
プロットとは、おおまかなストーリーのことを指します。
クライアント様によっては、プロットを作成してから、一度提出する場合もあります。
その場合はプロットの文字数が決まっているので、クライアント様の指示に従い作成します。
私の場合ですが、文字数の指定がなければ、プロットの目安は完成シナリオ8,000字に対し、プロットを1,500~2,000字くらいで作成します。
クライアントから指示がない場合、プロット作りってスキップしたらだめなのでしょうか?
プロットを作っておくと、これから執筆するシナリオの起承転結を決められるんですよ。たとえ提出指示がなくても、プロットを作成して、ストーリーの流れを決めることをおすすめします。そうすることで、ストーリーの流れがブレなくなりますよ!
4.ストーリー執筆
3で作成したプロットをもとに、ストーリーの肉付けをしていきます。
セリフを増やして、細かい情景や心情を描写。
その際キャラクター設定を見ながら執筆すると、キャラクターがブレずに、やりやすいのでおすすめです。
5.場面や効果(音)の指示
クライアント様によっては、場面や効果(音)の指示を入れることもあります。
例えば、YouTubeチャンネルのシナリオの場合。
【テロップ挿入:5年後】
上記のように、【5年後】というテロップ(字幕)を入れるように、場面の指示を書きます。
効果(音)の場合。
【効果:照れるマークを入れる】
【効果音:心臓がドキドキする音を入れる】
上記のように、キャラクターや場面に合った効果(音)を指示します。
6.推敲
書き終わったら、全体を読み返して推敲します。
推敲の際は、次の内容を確認します。
推敲して、違和感なく最後までスムーズに読める文章になっていれば完成です。
シナリオ・放送作家・動画編集のご依頼は【はる*】さんへ
今回は、シナリオライターについて詳しいお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
ありがとうございました^^
皆さん、驚かないでください!実ははるさん、5種類ものポートフォリオがあるんです!
Webライター・シナリオ・放送作家・動画編集・画像編集の5パターンのポートフォリオを用意していますよ♪間口は幅広く!
ポートフォリオが5種類もある方、見たことないです!!読者や視聴者に寄り添った共感力の高い作品づくりのご依頼は、はるさんへどうぞ↓↓↓
はるさんって何者なんだ!?と気になった方は、X(旧Twitter)ではるさんをフォローしてくださいね!